波動
いったい人は、いつまで赤ちゃんと呼ばれるのだろう。
歩いたら、もう子どもなのか?
ごはんを手づかみで食べて、おっぱいも吸う。
生れたばかりのいのち。
すべての赤ちゃんが最初に発するメッセージは、みな同じだ。
それは、「わたしを見て」。
お腹が空いても、おしっこでも、うんちでも、寂しくても、
自分への注目を求めて、赤ちゃんは泣く。
馬は生まれたその足で立つというが、生まれたばかりの人間は無力だ。
周囲の力でつくられた快適な環境を必要とする赤ちゃんは、
いつも見守る視線を求めている。
赤ちゃんは、その生存をかけて「振動」を発する。
その振動は・・・静かに部屋に充ちてゆき
それに触れた大人たちは声を潜めて見入り
その子の安らぎのために、何かをせずにはいられない。
それは安らぎの振動。
やさしく震える海の波に、赤ちゃんは漂っている。
我と欲、ちからとおそれを持った者には
もう戻ることのできない 安らぎの世界。
無私の安らぎの中で すべて出来事は喜びだったろう。
赤ちゃんにとって、見られることは常に喜びなので
わたしが 覗きこむとき 赤ちゃんは いつでも 嬉しそうだ。
